理系おじさんの社会学
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日本は農業大国
農水省、および日本のマスコミは日本の食糧自給率40%以下であり、非常に低いことを常に世間にアピールしてきた。私もそれが事実だと長い間考えていた。しかし計算方法がカロリーベースであること(諸外国と計算方法が違う)。また国産の畜産物の飼料(エサ)が外国産が主流なので自給にカウントしないとか、スーパーや飲食店での食料廃棄物も消費にカウントされているなど、計算上の様々な問題点が指摘されている。実際に私の住む街でも外国産の食品はあまり見かけない(加工食品は別)。

国内の食料自給率はカロリーベースでなく生産高ベースでは66%であり、生産額では約8兆円にもなるという。日本の人口が1億2千万程度なので、これだけの人口をこれだけ食わせる潜在能力が日本に存在するといえる。農水省や環境省は政治的な判断として「地産池消」や「農業活性化」をアピールする。そうした方針の一環として「食料自給率は低い」を強調しているとも思われる。あるいは農水省の利権が絡んでいるとの一部の論説もある。最近では、こうした「食料自給率が低い」という主張は多くの有識者の意見を反映してか?マスコミも控えている印象がある。

経済学的に、需要があり利益を生むなら供給能力を拡大する。日本の場合でも、需要があり利益を生むなら必ず生産量は増える。理論上はまだまだ生産キャパはある。ただし農業従事者の不足はあるので、数年で生産量を倍にするようなことはできない。
また農業大国のアメリカやオーストラリアと違って大規模農業ができないためにスケールメリットは望めない。しかし日本は大規模農業でのハイリスクハイリターンはないにせよ、地道に持続性のある農業は可能である。私はこの「地道で継続性のある」が農業では最も重要なことであると考えている。

また、農業の場合は単純な経済ロジックだけでは説明できない部分も多い。生産者は、時には採算度外視の仕事によって「満足感」のようなものを得る行動することがある。これは畜産であっても一部の工業製品でも同じことが言える。それって、他人(経済効率主義者)がみたら「バカじゃないか?」と思うこともあるだろう。もちろん生産者が自身の生活そのものを犠牲にすることはできない。しかし、そうした「誇り」こそが満足感を生み、消費者の「信用」、そして生活向上を実現できる社会を構築している。こういう議論は単純な経済学では説明できない。

歴史上、文明の衰退は農業の衰退からスタートしている。古代エジプト、古代メソポタミア、古代ギリシャでも農業(特に穀物)の衰退が大きく影響している。大規模な気候変動や温暖化?による砂漠化も要因とも言われるが、長期持続可能な農業を考慮していなかったことが大きく影響しているように考えられる。日本の場合、台風や地震など自然災害による農業被害もあるが決して全滅することはない。それは大規模農業でなく分散型であること、持続可能な風土であること・・・など様々な理由がある。

日本は間違いなく農業大国である。しかし問題は生産者育成と国の農業政策だ。私は農耕民族の血を濃く引く我々日本人はその潜在能力は十分あると考えている。というより、実は日本人の商人気質という遺伝子は極めて少ない。そもそも、日本人は武士道精神や職人魂とともに農業と神道精神が基軸にあったのに、それを無理やりビジネスマンとしての人間改造をしたから多くの歪が生じるのだと考えている。

たとえば、サツマイモ栽培で水や肥料を与えすぎると収穫量が減る。逆にサトイモ栽培で乾燥させると出来が悪くなる。ネコにドックフード食わせたりしても喜ばないし、ウサギにキャットフードを与えると死んでしまう。頑張って「品種改良」したって成功率は10%以下だ。つまり私が何を言いたいかというと「農業大国である日本で農業を衰退させる政策なんてバカとしか言いようがない」ということだ。よく「得意分野を活かす」なんて言ったり、「不得意分野を克服する」という主張する人がいる。

確かに大規模農業ができないという日本の「不得意な戦法」もあるが、それを克服して「潜在能力(得意分野)」を活かせばいいだけだ。とにかく日本は農業大国なのだから、日本人自身の余計な品種改良(人間改造)する必要はない。まあ、私個人の意見としては農作物に愛着を持たない人間はサイボーグとして生まれ変わり、敵にボコボコにされる覚悟があれば何も言うことはない。


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バター増産の要請
農林水産庁は、大手乳業メーカー4社や乳業団体に対し、クリスマスの最需要期に向けてバターを最大限供給するよう求めたとのニュースがあった。仮に業者がバターの価格高騰を意識して在庫を抱え込んでいるとしたら問題だ。しかし生産者に対して、すぐに増産せよ!と要求してもすぐには対応できない。

以前も似たようなニュースがあった。「とにかく短期間でバター増産を・・・?」まず第一印象として、「クリスマス需要に向けて?」・・・農水省はバカじゃないだろうか? もう12月、クリスマスまで20日程度・・・間に合うわけねーだろが。

バターを製造するためには大量の牛乳が必要になる。牛がミルクが出ようななるのは成牛になって妊娠しなければならない。牛が成牛になるには、鶏や豚より時間が掛かる。それを20日で増産? そんなの無理じゃねーか。 まあ長期計画(4-5年)としてなら理解できる。たしかに円安や穀物(エサ)高騰により輸入バターの価格は高騰している。それに伴い各種加工食品の値段も上昇している。

こうした素材に関連する食料品の高騰は、いくらデフレ脱却といっても経済にとってはマイナスだ。消費者物価指数はコアコアCPI (エネルギー、食料品を除く)で評価しなければならない。ただし、生産者は高級なバターを生産しても大した利益は出していない。流通業界に安く買い叩かれているのが現状だ。そこそこ大規模な生産者ならネット販売とか自社の販売店とかで何とかやっていける。しかし問題は加工用バターだ。加工業者から常に低価格を要求される。

そしてバターに関しては、もう一つ消費者(社会)の意識の変化がある。以前はバターのような動物性油より、マーガリンのような植物性油の方が健康に良い・・・という意識(宣伝)があった。しかし最近では世界的にマーガリンやショートニングに含まれる「トランス脂肪酸」の問題が取りだたされ、再びバターの需要が広まったとのこと。加工食品であっても、高価なバターを使用することが多くなり、その替わりに何とかコストを低下させようとする。

たしかにネット上でも、「マーガリンはゴキブリも食わない」とか話題になる。しかし直接的に人間への健康被害の事例は一件もない。長期的には弊害があるのかもしれないが統計処理しないと解らない。また、「ゴキブリも食わない」というのであれば、ネギやタマネギは、ゴキブリはもちろん昆虫や動物は全く食わない。あやまって食べると命を落とす。しかしヒトがネギやタマネギ食えば、「血液はサラサラ」なんていわれている。

食品でも医薬品でもそうだが、何が良くて何が悪いかなんて地域や環境、そして体質によっても随分違う。いや、工業製品だったそうだ。高温多湿、超低温、大気汚染や水質汚染地域・・・どんな優秀な機械だって劣悪環境なら必ず壊れる。グローバルで全生物に適合する農業製品や工業製品は、この世に存在しない。

まあ話を戻すと、日本はそんな世界的なバターの供給能力に振り回されるのではなく、日本の環境にあった油、例えばツバキ油、純正の菜種油をもっと活用すればいい。あのイタリアやギリシャのような欧州の地中海沿岸の国ではバターよりもオリーブ油を多く使用している。そりゃそうだ。そういう地域はそれが合っている。

別に長期計画でバター増産してもいいかもしれない。しかし世界の環境や経済、政治情勢で日本が振り回されないような体制をつくることこそ、国家の安全保障の一環であると考えるべきだ。


テーマ:最近のニュース - ジャンル:ニュース

食料対策
現代社会では大規模戦争になる可能性は極めて低い。小規模な地域紛争は発生するだろう。一方で自然災害の拡大の可能性の方が高い。寒冷化や自然災害のための農業衰退だけは避けなければならない。そういう対策を常に考えることが重要である。最近の日本でも集中豪雨による人的被害が話題になっている。当然ながら、人的被害を最小限に抑えることも国家としての重要な役割である。しかし、同時に農業へのダメージと価格高騰など、長期的な食料対策も必要だ。

農林水産超のデータ(平成18年12月1日現在)によると、農振農用地区域内の農用地面積は439万ヘクタールで、そのうち耕地面積は407万ヘクタール、耕作放棄地は15万ヘクタール、採草放牧地は16万ha となっているという。

すでに決定されている「減反政策」を廃止するのは当然だが、余ってもいいから国内で農産物を生産するべき。減反政策が推進されていた頃は、新規の開農は完全に制限されていて、田畑を埋め立てて住宅地や工業地への転用が進んだ。一方で農地の税制優遇処置があったために登記上は農地であるが実質は耕作放棄地、そして転用期待という考えが主流になってしまった。

食料品というのは価格を度外視すれば、余っても「家畜のエサ」「養殖魚のエサ」そして「バイオ燃料」になる。さらに残っても農業用たい肥にすることができる。農業というのは、どれだけ付加価値のある農産物を生産できる農家でも、100%がAランク商品にはならない。必ずBランク、Cランクの商品は生まれる。そこで、まとまった量があれば国内でリサイクルに回しやすくなる。そうすれば輸入飼料や輸入肥料に依存することはない。廃棄せずに活用することは可能である。

一方で漁業(養殖以外の沿岸漁業)に関しては、反対にしばらくは漁獲制限した方が良い。例えば、福島沖の水産資源が震災前の数倍になっているという。これは震災以降に漁獲をゼロにしたことが影響しているといわれている。つまり3年程度漁獲を制限するば、漁獲量は5倍以上になり安定さが増す。こうした計画的な漁業は事業主レベルでなく行政レベルでないと対応できない。

農業にしても漁業にしても、こうした対策は国家が関わらなければ不可能である。すべて国が管理せよと言っているわけではないが、食料もエネルギーも国家の安全保障問題である。うまく量を確保して循環すれば、それだけでも安全保障が確保できるといっても過言ではない。

TPPをはじめとして、食料品も含めたグローバル化にしか興味ない人たちは依然として多い。もっと日本という国を見つめ直す必要があるだろう。これだけ自然災害の多い国である。常にバックアップする体制を維持しなければ、国家が衰退する。一部の製造業(自動車メーカー)の思想である「在庫は悪」という発想は通用しない。そんな考えは、さっさと葬り去らなければならない。


テーマ:農政 - ジャンル:政治・経済

食の安心と安全
先日、中国上海の業者から食材に問題があるとして、マクドナルドのチキンナゲットをはじめとして関連商品が販売停止になった。もともと随分前からネット上で「食べてはいけない食品」として、チキンナゲットは有名だった。たしかに製造工程はずさんであることは間違いない。しかし今まで健康被害の報告は一件もない。マクドナルドをはじめ食品サービス業界は「誠意ある対応」をアピールするのが目的になっている。

また最近、顧客情報流出としてベネッセコーポレーションの問題が取り立たされている。クレーム窓口業務も外注(派遣社員)にしているとの非難の報道がされている。(実際に電話クレーム窓口は他社でもほとんどが外注である。)しかし顧客情報流出が原因といわれる大きなトラブルの報告はない。

この2件の出来事は、直接的な大きな問題は発生していない。しかし、「だから良いという問題ではない」という論調が主流である。一方で夏になると必ずといっていいほど「食中毒」や「水の事故」が発生する。これらは様々な法的な予防措置をしているが完全に防ぐことはできない状況になっている。こちらの問題は直接的な大きな問題となっている。

特に「食の安全」というのは難しい。「少しぐらいバイキンがある方が体にいい」とか「腐りかけの肉が一番栄養があり旨い」とかいわれる。数年前、焼肉屋のユッケ(生食)でも食中毒が有名になり日本では各地で規制された。当時、私は仕事の関係でよく韓国を訪問していたが焼肉屋でユッケを食べても全く問題なかった。しかし、ある店で食べた「キムチ?」のせいかノロウィルスのような症状になったことがあった。

結局、食の場合は何が良くて何が悪いのか?さっぱり判らなくなる。あの世界最速の男であるウサイン・ボルト選手は中国訪問では勧められた中華料理には全く口を付けずに、大好きなチキンナゲットばかり食べていたという。それでも当然トップを維持している。おそらく、そのとき安全で安心で高級な「中華料理」を食べたら彼は調子を狂わせたかもしれない。

当ブログでは「カテゴリ:毒性学」として色々考えたことがあったが、やはりよく判らない。*是非、この「毒性学」について当ブログの過去の書き込みを参考にしてください。


テーマ:最近のニュース - ジャンル:ニュース

干ばつによる食料危機
5月23日のサーチナのニュースでは、中国南部の雲南省で水不足が広がっているという。106本の川が干上がり、138万人が飲み水に困る状況だとのことである。たしか昨年だったか中国東北地域で干ばつが発生している。つまり南北問わず中国の内陸部では、干ばつが進行しているようだ。

中国の大規模な干ばつは最近にはじまったことではない。今世紀に入って何度も発生している。1928-1930年には北西部で300万人以上、1936年には四川省で500万人、1941年にも同じく四川省で250万人が飢餓で死亡している。世界的にもインドや旧ソ連、さらにアフリカでも大規模な干ばつは発生している。近年、オーストラリアでも干ばつによる廃業がある。しかし中国がいかに悲惨な干ばつを繰り返してきたか、飢餓による死亡者数も突出している。

戦後、中国では北西部を中心に大規模な穀物地帯が広がり、近代的な農業を進めて安定供給を確保する時期もあった。しかし、これも将来的に不安定になることが予測されている。穀物が激減すれば当然ながら家畜の生産にも影響する。外部の援助により飲料水は何とか確保することができるだろうが、農業用水の確保が難しい。

アメリカの場合は豊富な地下水(最近では減っているが)で大量供給できる。また日本の場合は、河川や湖、さらにダムからの供給ができる。また瀬戸内で水不足になることはあるが飢餓になることない。ヨーロッパでは干ばつよりも水害の方が多い。

このように中国(特に内陸部)では、もともと潜在的に飢餓になる危険性が非常に高いのである。そして最近の工業化による工業用水の使用拡大、13億人の生活用水の確保・・・それらによって農業用水のバックアップが不十分になっている。

さらに皆さんご存知の通り、中国では大気汚染、水質汚染、土壌汚染の農業の衰退に拍車をかけている。そもそも農業で一度使えなくなった土壌を元に戻すのは大変な作業である。そんな根気の必要な仕事は誰もしない。見放された土地が増えるのみである。

最近の中国が海洋進出をするのは、石油資源だけでなく食料資源の確保も関係している。中国の富裕層は、自国の食材を信用していない。すでに魚介類は、中国の沿岸では魚はほとんどいない。また河川ではナマズのような魚は生息するが誰も怖がって食さない。従って彼らは大金払ってでも他国の食材や中国以外の海鮮食品を求める。しかし貧困層にそれができない。

このような問題に対して解決策は全く見当たらない。そもそも環境を使い捨てにする国民性そのものを変えない限り改善は不可能である。他にも中国崩壊説の理由は様々ある。私は将来、さらなる大規模な干ばつが発生したときこそが中国崩壊のX デイになるだろうと考えている。



テーマ:環境・資源・エネルギー - ジャンル:政治・経済



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小室沢直樹

Author:小室沢直樹
「常に勉強」それがモットーの理系おじさんのブログです。理系おじさんの目から見た現代社会を鋭く論じたい。またこのブログに関する意見があれば賛否両論問わず受け付けます。基本的には現代社会を勉強して共有するのが目的です。

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